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用語集

ビタミンA

ビタミンAは、脂に溶けやすく水に溶けにくい脂溶性ビタミンのひとつです。

ビタミンAはその構造の違いにより「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」に分類されます。

レチノールが体内に入ると、代謝によって形が変わっていきますが、その最終形が「レチノイン酸」です。

植物に含まれるβ-カロテンなどのカロテノイド類は、摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されるのでプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれ、ビタミンAの仲間に分類されます。

ビタミンAの主な働きとそのメカニズム

視覚機能を守る

ビタミンAは目の健康を保つロドプシンというタンパク質の生成に必要です。

暗い場所での視覚機能を支えるため、不足すると「夜盲症」など視覚障害の原因となります。

皮膚や粘膜の保護

皮膚や粘膜は、外部からの異物侵入を防ぐ重要なバリアです。

ビタミンAが十分にあることで、このバリア機能が強化され、乾燥肌や炎症、感染症のリスクが軽減します。

免疫力の向上

免疫細胞の働きを助け、風邪や感染症への抵抗力を高めます。

特に季節の変わり目や冬場など、病気のリスクが高まる時期には重要です。

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ビタミンAの摂取量について

厚生労働省は成人男女のビタミンAの耐容上限量を2700㎍RAE/日としています。

RAE=レチノール活性当量のことでビタミンAの効力を示します。

今では使用されなくなった1IU(国際単位)はレチノール活性当量0.3μgRAEに相当します。

例:10,000IU=3,000μgRAE

ビタミンAを含む食品と摂取のポイント

動物性食品

以下の食品は、効率よくビタミンAを摂取するための優れた選択肢です:

  • 豚のレバー(生、100gあたり13,000μgRAE)
  • うなぎ蒲焼、白焼き(100gあたり1,500μgRAE)
  • 鶏のレバー(生、100gあたり1,100μgRAE)
  • 卵黄(生、100gあたり690μgRAE)

植物性食品

緑黄色野菜には、ビタミンAの前駆体であるβ-カロテンが多く含まれています。

これらの食品は体内で必要に応じてビタミンAに変換されます:

  • モロヘイヤ(生、100gあたり840μgRAE)
  • にんじん( 生、100gあたり720μgRAE)
  • ほうれん草(生、100gあたり350μgRAE)

にんじんやほうれん草は油と一緒に調理することで吸収率がさらに向上します。

例えば、炒め物やオイルをかけたサラダにするのがおすすめです。

  • にんじん(皮なし油炒め、100gあたり1,000μgRAE)
  • ほうれん草(油炒め、100gあたり630μgRAE)
  • モロヘイヤ

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サプリメントでの摂取は効果的?

食品から摂るのが理想的ではありますが、食事で十分に補えない場合には、サプリメントも有効な選択肢です。

特に以下のような場合に役立ちます。

  • ●偏食傾向がある
  • ●食事量が少ない
  • ●妊娠中や授乳中で栄養素の必要量が増加している

ビタミンAの不足と過剰摂取を防ぐために

不足した場合生じること

ビタミンAが不足すると以下のような問題が生じることがあります。

  • 視覚の低下
    夜間視力が悪くなる「夜盲症」が典型的です。
  • 肌や粘膜の乾燥
    乾燥による肌荒れや感染症のリスクが増加します。
  • 免疫力の低下
    病気にかかりやすくなり、回復も遅れる場合があります。

過剰摂取を防ぐために

一方で、過剰摂取にも注意が必要です。

後述の通り、ビタミンA=レチノールの形で摂取し、かつ厚生労働省の耐用上限を守る限り、わたしたちの経験上も大きな問題は起こっていませんので、ぜひ、サプリメントの裏ラベルよく見て、ビタミンAの1日量が厚生労働省の成人男女の耐用上限(2,700μgREA)以下のものを選択することが大切です。

ビタミンAについて巷間言われる懸念点

ビタミンAに関しては、過剰症や妊娠期の女性の過剰摂取での催奇性などが取り沙汰される栄養素で、ネット情報など見て、ご心配になるのも無理はありません。

とはいえ、日本人のほとんどが食事だけでは脂溶性ビタミンのAやD、E、Kといった脂溶性ビタミンは補いきれていないのが現状ですので、ぜひ積極的に摂ってもらいたい栄養素です。

一口にビタミンAと言っても種類があります。

ビタミンAは「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」の総称です。

また、植物に含まれる「β-カロテン」は、摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されるのでプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれ、ビタミンAの仲間に分類されます。

これらの中で過剰症が取り沙汰されて身体に影響するのはビタミンAの中のレチノイン酸です。

通常、経口で摂取したものは、身体の中で厳密にそれぞれの形態が管理される仕組みがあります。

自然な食材の中では、レチノイン酸の形では存在していません。

レチノールよりもっと手前の形態で存在します。

緑黄色野菜では、たとえばβカロテン、レバーなどでは貯蔵型のレチニルエステルといった形態です。

このように普通に食材から摂取したものは、腸の消化吸収に任せておけば、ほぼ過剰症の心配はしなくて良いと言われています。

変換の流れは、

βカロテン、レチニルエステル(ビタミンAの貯蔵型)↔️レチノール↔️レチナール➡️レチノイン酸

身体の中ではこのように変換されますが、レチノイン酸まで行くと可逆性がありません。

(レチノールからレチナールへの変換は可逆的ですが、レチナールからレチノイン酸への変換は不可逆的です。)

レチノイン酸は、細胞の成長・分化や遺伝子調節を通じて、皮膚や体の健康維持に欠かせない物質で、がんの治療にも使われるように大事な役割を持っています。

いっぽうで、最近ではニキビや美肌の治療にレチノイン酸が使用されていますが、妊娠中はこれらの薬剤は禁止となっています。

これまで述べてきたように、身体の中の調節作用に任せれば、サプリメントでビタミンA=レチノールの形で厚労省の耐用上限を守って摂取する限り、過剰症の心配はほぼないと、わたしたちの20年以上に及ぶ医療用サプリメント製造の経験からも言えます。

また、脂溶性ビタミンがどれか一つだけ突出して足らなくなるいうことは考えにくいので、ビタミンAやD、E、Kの脂溶性ビタミンはぜひ同時に摂取することをおすすめします。

もし、ビタミンAを含む脂溶性ビタミンの摂取に不安を覚える場合は、厚労省の耐容上限量を守って摂取してみてください。

医師、医学博士、栄養療法ドクター

富所 潤 Jun Tomidokoro

2002年 金沢医科大学卒業 同年、医師免許取得
2008年 博士号取得 同年、金沢医科大学助教
その後整形外科専門医、整形外科リウマチ専門医取得
2009年 公立宇出津総合病院整形外科医長、
     リハビリテーション科医長
2013年 神奈川県内の病院に勤務
2017年 回復期リハビリテーション専従医取得
2022年3月 病院勤務を辞め独立
2022号9月 株式会社ニュートライズ起業