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用語集

ビタミンE

ビタミンEは、美容や健康を維持するために重要な栄養素として有名です。

わたしたちの経験上、ビタミンEに興味を持たれるのは、男性よりも圧倒的に女性です。

ビタミンEの作用の中でも、特に抗酸化作用が注目されており、体内の細胞を酸化ストレスから守る働きが女性たちの琴線に触れるのだと思います。

ここでは、ビタミンEの基本的な特性から、健康や美容への効果、効率的な摂取方法までを詳しく解説していきます。

ビタミンEとは?

ビタミンEは脂溶性(脂に溶ける)ビタミンに分類される栄養素で、4種(α、β、γ、δ)のトコフェロールと、4種(α、β、γ、δ)のトコトリエノールの合計8種類の化合物(同族体とも言います)の総称です。

トコフェロールとトコトリエノールの違いは分子構造上の炭素結合が一重(トコフェロール)か二重(トコトリエノール)になっているかで区別されます。

トコフェロールとは簡単に言うと、持続性のある作用効果が続く性能を持ちます。

トコトリエノールとは簡単に言うと、即効性のある作用効果がすぐに現れる性質を持っています。

二重の炭素結合が一重のトコフェロールに比べて分子的に柔軟性があり、細胞への進入が容易だからと考えられています。

以下ではこれらの同族体のまとまりであるビタミンE(総体)の説明をしていきます。

特にビタミンEの最大の特長である抗酸化力について少し詳しく説明していきましょう。

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ビタミンEの抗酸化力とは

ビタミンEの作用で最も注目される「抗酸化力」とは一体何のことを指すのでしょう?

スーパーなどで売られている一般食品のラベルを見ていると微量のビタミンEが入っていることに気づかれることがあると思います。

これはビタミンEの抗酸化力でその食品の酸化(劣化)を防ぐ目的で使用されています。

(ビタミンCも同様ですね。ペットボトルの緑茶にビタミンCが含まれるように液体の酸化防止にはビタミンCが使われることが多いです)

では、人間の体内でどのように抗酸化力が発揮されるのかを少し科学的に説明しましょう。

体内に入ったビタミンEは、細胞膜内の脂質に1つの電子を提供して、過酸化脂質を生成するのを抑制します。

過酸化脂質とは、カラダの中の細胞を覆っている不飽和脂肪酸という脂質の膜が活性酸素と結びつき、酸化されたものです。

(何度も繰り返し使ってドロドロになった食用油を想像してください)

体内で発生した過酸化脂質は、その近くにある脂質も次から次へと雪ダルマ式に酸化させていきます。

増加した過酸化脂質は、細胞膜の機能を損なって、細胞内に様々な障害を引き起こしたり、動脈硬化などの病気の原因になったり、身体に悪い影響を与えるのです。

そこで過酸化脂質の増加を防いでくれるのがビタミンEです。

ビタミンEが過酸化脂質と脂質の間に入り込み、脂質の代わりに酸化されることで、次々に起こる酸化の連鎖、つまり過酸化脂質の増加を防ぐのです。

一度酸化されたビタミンEはその効力を失いますが、ビタミンCが一緒にあると、ビタミンEは復活し、再び抗酸化力を発揮させることができることが分かっています。

このようにビタミンEが、細胞膜に多く含まれる不飽和脂肪酸が酸化して有害な過酸化脂質に変わるのを防ぐことで、細胞膜の酸化損傷を軽減し、同時に細胞膜を正常に保ち、細胞そのものや血管の健康維持、老化予防に力を発揮します。

また、血中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ働きにより、動脈硬化や心疾患、脳卒中などの生活習慣病を予防する効果も期待されています。

細胞とか細胞膜というとなんだか小さなミクロの局所的な話のように聞こえますが、わたしたちの全身は細胞から成り立っていますので、これは全身のお話と置き換えて理解いただいて大丈夫です。

以上、少し難しいお話になりましたが、巷間よく言われるビタミンEの抗酸化力についてのご理解の一助になれば嬉しいです。

ビタミンEの健康効果:美容と日常生活へのメリット

美容効果

  • エイジングケア
    ビタミンEの抗酸化作用は、紫外線やストレスによるダメージを軽減し、肌のハリを保つ効果があります。
  • 保湿力の向上
    肌のバリア機能を高め、乾燥肌を予防します。

健康維持

  • 心血管の健康を保つ
    動脈硬化の予防や、心臓病のリスクを軽減する働きがあります。
  • 疲労感の軽減
    ビタミンEは血流を良くするため、体全体の代謝を高め、疲労回復を助けます。

症状改善の可能性

さらに、PMS(月経前症候群)の緩和や筋肉の疲労回復に役立つことが報告されています。

これにより、女性特有の不調をサポートすることも期待できます。

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ビタミンEを多く含む食材と摂取方法

食材一覧

ビタミンEはさまざまな食品に含まれています。

特に以下のような食品が豊富な供給源です。

  • ナッツ類
    アーモンド(10粒=14gに30.0mgのビタミンEが含まれます)、ヘーゼルナッツ、ピーナッツなど。
  • 種子油
    ひまわり油(大さじ1=12gに39.0mgのビタミンEが含まれます)、菜種油、オリーブオイルなど。
  • 魚介類
    うなぎ、サバ、イワシなど、脂肪分の多い魚が特に効果的です。
  • 緑黄色野菜
    ほうれん草、ブロッコリー、カボチャなどが挙げられます。

効率的な摂取方法

食事からビタミンEを摂取するのが基本ですが、以下の方法で効率的に取り入れることも可能です。

  • ●毎日の食事にナッツやオリーブオイル(大さじ1=12gに7.4mgのビタミンEが含まれます)を取り入れる。
  • ●サラダにひまわり油や亜麻仁油を使用する。
  • ●ビタミンEを含む魚料理を週に2〜3回取り入れる。

忙しい日常では十分な量を摂取できない場合があります。

このような場合、サプリメントが便利な選択肢となります。

サプリメントで手軽にビタミンEを補給する方法

天然型の優位性

ビタミンEの原材料には、天然由来のものと合成のものの2種類があります。

  • d-α-トコフェロール
    天然由来のαトコフェロール。ディーアルファと読みます
  • dl-α-トコフェロール
    合成品のαトコフェロール。ディーエルアルファと読みます

体内では、dlよりもdのほうがl効果が高いとされています。

現在はほとんどのサプリメントでdのものが使われています。

8つの同族体すべてを含むもの

サプリメントに含まれるビタミンEの量は、αトコフェロールの量から計算されます。

とはいえ、ビタミンEは本来8つのすべての同族体から構成されますので、8つのすべての同族体を含むビタミンEサプリメントをおすすめします。

脂溶性ビタミンを複合で摂るメリット

ビタミンE以外の脂溶性ビタミンには、以下があります。

  • ●ビタミンA
  • ●ビタミンD
  • ●ビタミンK

脂溶性ビタミンがなにか一つだけ突出して不足するということは考えにくく、むしろビタミンEが足らないときは、他の脂溶性ビタミンも足りないと考え、すべての脂溶性ビタミンを一度にバランスよく摂取することを考えてみてください。

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ビタミンE摂取の注意点と安全な活用方法

摂取量の目安

厚生労働省によると、成人の1日の推奨摂取量は6.5~7.0mgです。

一方で1日当たりの耐容上限量を、以下と定めています。

  • ●50~69歳 男性:850mg
  • ●50~69歳 女性:700mg
  • ●70歳以上 男性:750mg
  • ●70歳以上 女性:650mg

過剰摂取のリスク

過剰症としては、血液が止まりにくくなることが知られていますが、実際には、摂取量の3分の2が便として排出されるため、脂溶性ビタミンの中では比較的体内に蓄積されにくく、通常の食事の範囲やサプリメントの摂取上限を守る限りでは過剰症はほとんど起こりません。

まとめ

ビタミンEは、美容や健康の維持に欠かせない栄養素です。

食事から自然に摂取するのが理想ですが、忙しい日々の中ではサプリメントを活用することも効果的です。

食材の工夫やサプリメントの活用で、必要な量を効率よく摂取してください。

医師、医学博士、栄養療法ドクター

富所 潤 Jun Tomidokoro

2002年 金沢医科大学卒業 同年、医師免許取得
2008年 博士号取得 同年、金沢医科大学助教
その後整形外科専門医、整形外科リウマチ専門医取得
2009年 公立宇出津総合病院整形外科医長、
     リハビリテーション科医長
2013年 神奈川県内の病院に勤務
2017年 回復期リハビリテーション専従医取得
2022年3月 病院勤務を辞め独立
2022号9月 株式会社ニュートライズ起業