ビタミンK

ビタミンKは、血液を固めたり骨を強くしたりするのに欠かせない脂溶性ビタミンの一つです。
天然のものでは、主に緑黄色野菜に含まれるビタミンK1(フィロキノン)と、動物性食品や発酵食品に含まれているビタミンK2(メナキノン)の2つに大別できます。
ビタミンK1は1種類ですが、ビタミンK2には動物性食品に含まれるメナキノン-4と納豆が産生するメナキノン-7の2種類に分類できます。
一般にビタミンKというときには、以下を総称したものをいいます。
- ●フィロキノン
- ●メナキノン-4
- ●メナキノン-7
これらのビタミンKのうち、栄養学的に重要と言われるのが、ビタミンK2のメナキノン類です。
ビタミンK1のフィロキノンは組織内で酵素の働きによりメナキノン-4に変換されますが、量的には少量であると見積もられています。
ビタミンKの主な働き
血液凝固を助ける
ビタミンKは、傷ができた際に血液を固める「血液凝固因子(プロトロンビン)」の生成を助ける働きを持っています。
このため、ビタミンKが不足すると出血が止まりにくくなり、体に重大な影響を及ぼすことがあります。
特に新生児や高齢者では、この役割が重要です。
骨の健康を支える
ビタミンKには骨にカルシウムが沈着するのを助けるオステオカルシンと呼ばれるタンパク質を活性化させる働きがあります。
ビタミンKが不足すると骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。
中高年以降の骨の健康維持には、カルシウムやビタミンDと共にビタミンKを意識して摂取することが大切です。
ビタミンKを含む食品

ビタミンKが多い食品一覧
ビタミンKは以下の食品に豊富に含まれています。
日々の食事に取り入れることで、効率よく摂取できます。
- ●納豆(糸引き納豆)
50gの1パックで約300㎍のビタミンKが含まれており、1日の摂取基準量(成人男女で150μg/日)を満たします。 - ●緑黄色野菜
ほうれん草(油炒め100gで510μg)、モロヘイヤ(生100gで640μg)、パセリ(生100gで850μg)などが特におすすめです。 - ●海藻類
わかめ(乾燥わかめ板わかめ100gで1800μg)や海苔(ほしのり、いわのり煮干し)にも豊富に含まれています。
調理の工夫で吸収率アップ
ビタミンKは脂溶性のため、油と一緒に調理すると吸収率が高まります。
例えば、ほうれん草のバター炒めや、パセリを使ったドレッシングは簡単に作れるうえ、ビタミンKを効率的に摂取できます。
また、ビタミンKは熱に強いため、調理の過程で失われにくいのも特徴です。
ビタミンKが不足するとどうなる?
不足のリスク
ビタミンKが不足すると、次のような問題が起こる可能性があります。
- ●出血が止まりにくい
血液凝固が正常に行われなくなるため、鼻血や内出血が増える可能性があります。 - ●骨密度の低下
カルシウムが十分に骨に沈着しなくなることで、骨がもろくなりやすくなります。
不足しやすい人
特に以下の条件に当てはまる人は、ビタミンK不足に注意が必要です。
- ●抗生物質を長期間服用している人
- ●高齢者や肝疾患を持つ人
- ●新生児(腸内細菌が未発達のため)
過剰摂取の心配はある?

ビタミンKは通常、多量に摂取しても健康被害の報告はありません。
唯一の例外として、血液を固まりにくくする薬(ワーファリン)を服用している人は注意が必要です。
薬の効果が弱まる可能性があるため、摂取量について医師と相談してください。
効率よく摂取するためのポイント
食事での摂取を工夫する
日々の食生活で、ビタミンKを多く含む食品を積極的に摂ることが大切です。
納豆やほうれん草などは手軽に取り入れやすい食品です。
サプリメントの活用
忙しい現代人にとって、毎日十分なビタミンKを食事から摂取するのは難しい場合もあります。
そのような場合には、サプリメントを活用するのも一つの方法です。
特に、骨粗鬆症のリスクが高い中高年の方や、食事からの摂取が不十分な人にはおすすめです。
- ●選ぶ際のポイント
ビタミンK2(メナキノン4、メナキノン7)がしっかり含まれているものを選ぶと、血液凝固と骨の健康をバランスよくサポートできます。 - ●服用時の注意点
他のビタミン(特にビタミンDやカルシウム)と一緒に摂取することで、相乗効果が期待できます。
まとめ
ビタミンKは血液凝固や骨の健康に欠かせない重要な栄養素です。
日々の食生活で意識的に緑黄色野菜や発酵食品を取り入れること、必要に応じてサプリメントを活用することが健康を支えるカギとなります。
ビタミンKだけが突出して不足することは起こりにくく、むしろビタミンKが不足している場合、ビタミンA、D、Eなど他の脂溶性ビタミンも同様に不足していると考えられます。
したがって、脂溶性ビタミンすべて(ビタミンA、D、E、K)を一度に摂れるサプリメントによる栄養摂取をおすすめします。
医師、医学博士、栄養療法ドクター

2002年 金沢医科大学卒業 同年、医師免許取得
2008年 博士号取得 同年、金沢医科大学助教
その後整形外科専門医、整形外科リウマチ専門医取得
2009年 公立宇出津総合病院整形外科医長、
リハビリテーション科医長
2013年 神奈川県内の病院に勤務
2017年 回復期リハビリテーション専従医取得
2022年3月 病院勤務を辞め独立
2022号9月 株式会社ニュートライズ起業