-FAQ-
小麦粉・砂糖・油・乳製品を抜く「4毒除去」は体にどのような影響があるのでしょうか?
「小麦、乳製品、砂糖、油を4毒」と称されていました。
これは本当に『毒』なのでしょうか?
メンバーの皆様にも今一度考えて欲しい問題です。
まず、この「4毒」という考えは、一部の健康法やダイエット法で使われる言葉で、「これらの食品を摂りすぎたり、質の悪い状態で食べると体に悪影響を及ぼす」という意味合いが多いです。
でも、点検してみると、実際には「毒そのもの」というよりは、「どんな質で」「どれくらい」「どのように食べるか」が重要なんです。
1.小麦について
小麦にはグルテンというタンパク質が含まれていて、セリアック病やグルテン過敏症の人には問題となります。
しかし、健康な人が適量を食べる分には、例えば良質の全粒粉を選べば繊維やビタミン、ミネラルが摂れる優れたエネルギー源です。
反面、精製された小麦(白いパンやお菓子)ばかりだと血糖値の急上昇を招くので、そういう意味で注意はあります。
2.乳製品について
乳製品はカルシウムやたんぱく質の優れた供給源です。
ただし、乳糖不耐症の人や乳製品アレルギーの人は抜く必要があったり、摂取に工夫が必要です。
また、脂肪分の多いものや加糖された製品はカロリーが高くなりがちで、「毒」的に扱われることも。
食べ過ぎや体調に合わない摂り方が問題なのです。
また乳製品に含まれるカゼインというタンパクは腸に負担をかけることがあります。
3.砂糖について
砂糖(特に精製糖)の過剰摂取は、血糖値の急激な上下動やインスリン抵抗性を招き、肥満や生活習慣病のリスクを高めます。これが「毒」と呼ばれるメインの理由ですね。
ただ、適度な量や天然の果物などからの糖分はエネルギー源として必要です。
4.油について
油脂は細胞膜の材料であり、ホルモンやビタミン吸収に不可欠。
しかし、トランス脂肪酸や過度に酸化した油(使い回しの揚げ油など)は健康に害を及ぼします。
良質のオメガ3脂肪酸(例:青魚、亜麻仁油)やオリーブ油などを適量取ることが大切なので、単に「油が毒」とまとめるのは誤解が大きいと言えます。
総合的な見解
「4毒」と呼んでしまうのは、かえって極端な見方であり、「食べ方や量、質」を無視した言い方だと思います。
私たちの体は複雑で、食べもので毒にも薬にもなるため、科学的な視点からは、これらの食品が「毒」そのものではありません。
むしろ「バランスよく、質にこだわり、適切な量を守る」ことが大事です。
どうぞご自身の体調や目的に合わせて、4つの食品について「良い面を活かしつつ、過剰や質の悪さを避ける」食習慣を心がけてみてくださいね。
私は心療内科の臨床で、不調に悩みの方に栄養指導をたくさんしてきました。
心身の不調にお悩みの方は、ほぼ全員、不調の背景に血糖調節異常があります。
このような方々の病態改善にあたっては、消化機能が衰えていて、満足にタンパク質食品が食べられない方が多く、まずは食べてきちんと吸収できる身体づくりのために、腸管に負担をかけないよう、小麦、乳製品、砂糖をできるだけ抜くよう、指導しています。
この負担となりやすい食品を抜くだけで、原因がわからなかった体のだるさやブレインフォグといった不調から抜け出せることが多くあります。
特にお子様の困った問題の時には、お母様にこのことをよくご理解いただくようお話しして説明することが多いです。