-FAQ-
ビタミンDを摂る時に、多めに摂るとビタミンAがなくなってしまうのですか?
ビタミンDとビタミンAは、お互いに影響し合う脂溶性ビタミンであり、特にビタミンDの濃度が過剰に高まると、相対的にビタミンAが不足することがあるといわれています。
この現象の背後にある作用機序について、簡単に説明します。
- 1. レセプターの競合
ビタミンAとビタミンDは、体内でそれぞれの受容体(レセプター)に結合して働きます。
ビタミンDが高濃度になると、これによりビタミンDの受容体(VDR)が活性化され、ビタミンAが結合する受容体にも影響を与える可能性があります。
この競合により、ビタミンAが通常の役割を果たすのが難しくなり、ビタミンAが不足しているように見える状態になります。 - 2. 代謝経路の共有
ビタミンAとビタミンDは、肝臓での代謝や運搬にも似た経路を使います。
ビタミンDが過剰に存在することで、肝臓や他の代謝経路がビタミンDの処理に集中し、ビタミンAの代謝や分配が制限されることがあります。
このため、ビタミンAがうまく活用されずに、相対的な不足が起こる可能性があります。 - 3. 骨と免疫への影響
ビタミンDは骨の健康や免疫の調整に重要な役割を果たしますが、ビタミンAも同様に骨や免疫に関連しています。
両方のビタミンは細胞の成長や分化にも関わっており、ビタミンDが過剰に活性化されるとビタミンAの働きが相対的に抑えられ、骨の健康や免疫系に影響が出ることがあります。
まとめますと、
ビタミンDを過剰に摂取すると、ビタミンAの働きを抑制したり、代謝や運搬経路に影響を与えたりすることで、ビタミンAが不足しているように見える状態を引き起こすことがあります。
ビタミンAが無くなってしまうわけではありません。
ビタミンDばかりで受容体を占拠してしまうと、相対的にビタミンAが不足という事です。