-FAQ-
10代女性の娘についての相談です。
発達障害(ADHD・自閉スペクトラム障害)や知的障害、慢性疲労、自律神経失調症などがあり、栄養療法を取り入れて6年になります。
身長158cm、体重50kg。
身長は急に伸びていて成長痛を訴えることもあります。
食事はタンパク質を意識して、朝は栄養入りプロテイン(ビタミンB群・C・鉄・酪酸菌)、昼はアミノプロテイン+ビタミンC+鉄、夜はビタミンB・E・亜鉛・C・B12などを摂っています。
マグネシウムも取り入れていましたが、起立性調節障害のような症状が出てきたため控えています。
取り組み始めた当初は明らかに改善が見られましたが、最近は以前ほどの変化はなく、記憶力の低下など学校生活にも支障があります。
栄養をうまく吸収・代謝できていないのではと感じています。
クリニックでも「栄養療法を一度ストップさせるのも一つのやり方」と言われましたが、止めると口内炎が再発し、状態が悪化します。
また、私自身(母)も栄養療法に取り組んでいますが、亜鉛の数値がなかなか改善せず、銅が高値です。
ノベルジンで対応しても変化がなく、体質と娘の症状が関係しているのではと感じています。
何かアドバイスをいただけますでしょうか。
とてもしっかり勉強しながら栄養療法に取り組んでいらっしゃるご様子ですね。
お母様の深いご理解と、ここまでお嬢様のために栄養療法に真摯に取り組まれていること、本当に素晴らしいことだと感じました。
これまでの取り組みにより一定の改善が見られたとのこと。
それは栄養が確実にお身体に必要だった証拠です。
ただ、現段階で「劇的な変化が見られなくなった」ことは、栄養そのものが無意味になったというよりも、栄養がうまく使われにくい体質的な背景がある可能性を示していると思います。
たとえば、
- • 腸内環境(吸収力や炎症の有無)
- • 代謝酵素の働き(特にミトコンドリア機能やメチレーション回路)
- • 銅や他の重金属の蓄積(デトックスの詰まり)
- • 内分泌(副腎や甲状腺の機能)
こういった背景が整っていないと、せっかく摂った栄養素も“体で使いきれない”ことがあります。
特に「ノベルジンを使っても亜鉛が上がらない」「銅が高値」という点は、デトックス機構や肝臓の処理能力、腸の透過性(リーキーガット)などが影響している可能性が高く、ここを明確にするには血液検査だけでなく、尿・便・唾液などのバイオロジカル検査が必要になってくるかもしれません。
今は「治療方針を再検討するタイミング」であり、中止ではなく、より適切な“次の一手”を探る時期だと思います。
改善の壁を越えるには、「何がブレーキになっているのか」を見つけることがカギになります。