-FAQ-
脂溶性のビタミンAやDについて質問です。
ビタミンDはほとんどの日本人が不足しているとよく聞きますが、高容量でしっかりと補うと安定してくるという話もあります。
ビタミンDは4000IUが日本の基準となっていますが、これを摂取すると大体何ヶ月くらいで安定してくるのでしょうか?
また、毎年ひどい花粉症に悩まされてきましたが、今年はしっかりビタミンDを摂取したので春がどうなるか楽しみです。
さらに、ビタミンAに関しては1日の基準はどれくらいでしょうか?
かかとのカサカサがなくなってきたように感じます。
血液検査でビタミンA不足はわかるのでしょうか?
ビタミンDの血中濃度の上がり方はとても個人差があります。
またビタミンAの濃度は血液検査では分かりません。
ビタミンD濃度がサプリメントなどで安定したら、ビタミンAも一緒に補充すると良いですね。
かかとのカサつきや唇の潤いなども違いが出てくると思いますし、皮膚粘膜を守る上でもAもDも大事です。
血中ビタミンD濃度の上がり方に関しては個人差がかなりあり、影響を受ける条件も様々です。
1. 吸収力の個人差
- 腸の健康状態
腸管の吸収能力が低下していると、経口摂取したビタミンDが十分吸収されない可能性があります(例:吸収不良症候群、炎症性腸疾患など)。 - ・胆汁酸の不足
ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、脂質吸収が悪い場合(例:胆嚢摘出後、膵臓疾患)、吸収効率が低下します。
2. 代謝の個人差
- 肝臓機能
ビタミンDは肝臓で25(OH)Dに変換されるため、肝機能障害がある場合、血中濃度の上昇が遅れることがあります。 - 腎臓機能
活性型ビタミンD(1,25(OH)2D)への変換は腎臓で行われるため、腎機能低下が濃度変化に影響します。
3. 基礎的な血中濃度の違い
- ・ビタミンD濃度が非常に低い状態からスタートする場合、同じ量を摂取しても濃度が上がりにくい場合があります。
- ・初期濃度が高い場合、さらに濃度を上げるのが難しくなることがあります(血中濃度の上限があるため)。
4. 体脂肪量と分布
- ・ビタミンDは脂溶性であるため、体脂肪が多い人では脂肪組織に蓄積しやすく、血中濃度の上昇が抑えられる場合があります。
5. 遺伝的要因
- 遺伝子多型
ビタミンD受容体(VDR)の遺伝子や、ビタミンD結合タンパク質(DBP)の遺伝的多型が、ビタミンDの吸収・輸送・活性化に影響を与えます。 - 代謝酵素の個体差
肝臓や腎臓でビタミンDを代謝する酵素の活性に個人差があると、血中濃度の変動も異なります。
6. 日光浴の有無
- 日常的に日光を浴びているかどうかで、ビタミンDの体内合成量が異なります。 外因的摂取量が同じでも、紫外線曝露量によって濃度の変化が異なります。
7. サプリメントの品質や服用方法
- ・サプリメントの吸収率や品質(油性タイプか粉末タイプかなど)により、濃度上昇の効率が異なる可能性があります。
- ・服用タイミングや食事との関係も影響(脂肪と一緒に摂取した方が吸収率が高い)。
8. 病状や薬剤の影響
- 疾患
慢性疾患や炎症、肥満、代謝性疾患などがビタミンD濃度の変動に影響します。 - 薬剤
抗てんかん薬、ステロイド、あるいはリファンピシンなどの薬剤は、ビタミンD代謝を促進し濃度を下げる可能性があります。
対策
- ・ビタミンD濃度をモニタリングしながら、摂取量や投与方法を調整する。
- ・必要に応じて、医療機関で遺伝子検査や腸・肝機能検査を行う。
- ・サプリメント摂取だけでなく、適度な日光浴を組み合わせる。
これらの点を考慮することで、より個別化されたアプローチが可能になります。