-FAQ-
起立性調節障害の高校生息子のコレステロール値の改善について教えて頂きたいです。
3年前に発症、娘と同様、一年前から医師のもとで栄養療法を行なっています。
アミノ酸、グルタミン、ビタミンB、亜鉛、ビタミンDのサプリを内服して、蛋白質、亜鉛と銅はまだ少ないですが、値は上がってきています。
自覚症状は10から2まで改善しています。
直近の採血でコレステロール値の改善がなく、DHAのサプリが追加になりました。
一年前に、良質な油、脂を摂るようにと指導されてオリーブ油、アマニオイル を取り入れてきましたが、
総コレステロール190→177
HDLコレステロール61→54
LDLコレステロール109→105
中性脂肪118→100
でした。
身長172cm体重54kgです。
青魚も食べますが、あまり多くは食べません。
食事は3食摂れています。
サラダや味噌汁にオイルをかけるなどで摂取できればと思うのですが、一日に大さじ何杯くらい摂取するのがよいでしょうか。
他に食事で気をつけることがあれば教えて頂きたいです。
コレステロールの合成には、血糖コントロール、カロリー維持、タンパク質摂取の3つの条件が揃うことが大事です。
- 血糖コントロール
血糖値が安定すると、体内のエネルギー供給が安定します。
血糖値が急上昇・急降下すると、体はエネルギー不足を避けるためにコレステロールや他の脂質の合成を抑制しがちです。
安定した血糖値は、安定したエネルギー供給を意味し、コレステロール合成も滞りなく行われます。 - カロリー維持
コレステロールはエネルギーが十分に供給されている状態で合成されます。
カロリーが不足すると、体は生存に必要なエネルギーを優先し、コレステロールなどの脂質の合成が抑制されます。
十分なカロリーが確保されていると、コレステロールの合成も促進されます。 - タンパク質の摂取
タンパク質は体の全体的な機能に必要な重要な要素であり、酵素やホルモンの働きもサポートします。
これにはコレステロールを合成する酵素も含まれます。
タンパク質が不足すると、これらの酵素の働きが低下し、コレステロール合成も減少します。
この3つの要因がそろうことで、体はエネルギーの余裕があり、必要な栄養素も供給されているため、コレステロール合成がスムーズに進むのです。
コレステロールはホルモンの材料になったり、細胞膜の形態維持にも重要です。
起立性調節障害のお子様の背景には、血糖変動の可能性が大きいですね。
カロリーもきちんと保持したいところです。
厳密な糖質制限ではなく、食事の食べ順を守り、最後に穀物を少量入れるような食べ方で糖質を栄養戦略としてつかうようにしてカロリーも維持したいです。
白米ではなく、雑穀米などにミネラル豊富な無添加のふりかけなどをかけて食べるなどがお勧めです。
脂質がうまく使えると良いのですが、中には脂質の酸化障害があったりして、有効に使えない方もいます。
脂質は基本はホールフードで摂取するのがお勧めで、液体の油をたくさん使用するより、脂質も含まれる動物性タンパク質を必ず意識して欲しいです。
カロリーを足すのでしたら、MCT(中鎖脂肪酸:編者注)オイルがお勧めです。
多すぎるとお腹が緩くなりやすいので、小さじ1杯程度から様子見で増やすようにするとよいでしょう。
お料理の仕上げにかける亜麻仁油などは通常は1日に大さじ1杯程度です。
コレでω3脂肪酸(αリノレン酸)はしっかり取れるはずです。
朝と晩に分けて摂取するなどしてみてください。
いずれにしましても、エネルギー産生を安定化しないと、コレステロール合成に回りません。
タンパク質とビタミンB群の摂取はとても大事ですね。
数値もお示しいただきましたが、治療開始してかなり改善してきているので、ご本人のQOLが上がるのが一番大事なことですよ。
確かにコレステロールは総合的な栄養指標なんですが、この程度でしたら数値にあまり神経質になる必要はないと思いました。
お気持ちをもう少し楽にお持ちになってはいかがでしょうか?
血糖変動をできるだけしないように、補食を入れたり工夫して、タンパク質確保して下さいね。