-FAQ-
41歳・155cm・44kgです。
子宮筋腫による月経過多があり、貧血を指摘されました。
フェリチン5、ヘモグロビン11.5で、ヘム鉄を3mg一日おきに1か月飲んでも改善せず、9mgに増やしたところ胃痛・胃もたれ・下痢・吐き気・だるさなどの不調が出ました。
現在は胃腸症状がつらいためヘム鉄を休んでいますが、再開する場合は、一日おきよりも毎日少量ずつ(3mgを毎食後)飲む方が良いのでしょうか?
また、以前からタンパク質が十分にとれず、年齢とともにお肉が食べにくくなっています。
胃腸が弱い人でも高タンパクをとりやすい食品はありますか?
豆乳やプロテインはどうでしょうか?
フェリチン5はかなり低い値で、ヘモグロビンも低いため、貧血の改善は必須の状態です。
子宮筋腫による月経過多がある場合、毎月の鉄の損失量が大きく、ヘム鉄3mgでは補充が追いつかず、数値には反映されにくいと考えられます。
一方で、ヘム鉄を9mgに増やしたときに下痢・吐き気・胃もたれなどの不調が出たのは、体が鉄を吸収できる準備が整っていないサインと考えてください。
鉄だけを増やしても、うまく吸収・代謝できる「土台」がないと、胃腸や肝臓に負担がかかってしまいます。
■ 鉄サプリの飲み方について
胃腸が弱い方の場合、ヘム鉄は一度にまとめて飲むよりも、「毎日少量を食後に分けて」摂る方が、負担が少なく吸収もしやすいです。
- 3mgを毎食後に少量ずつ
- ビタミンCを一緒にとる(鉄の吸収を補助します)
- 黒い便・胃もたれ・下痢が強い日は一度お休みする
現在は下痢が続いているとのことなので、まずは胃腸の調子が落ち着くまで鉄は休む方が安全です。
■ 胃腸が弱い人のタンパク質摂取
鉄を吸収するためには、胃酸・消化酵素・タンパク質が不可欠です。
ただ、年齢とともにお肉が食べにくくなることもあります。そのような場合は、次のような工夫がおすすめです。
〈食べ方の工夫〉
- 肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質は、一度にたくさんではなく「少量を頻回」に摂る
- 大根おろしや柑橘の汁を肉や魚にかけると、消化を促進して胃もたれを軽減しやすい
- 小麦粉・乳製品は、一旦控えると下痢や胃もたれの悪化を防ぎやすくなります
〈取り入れやすいタンパク源〉
- 温めた無調整豆乳(胃に優しく、吸収も比較的良い)
- プロテインは、胃腸が弱い方には負担になることもあります
- 負担が少ないのは、すでに分解されていて吸収が速い「アミノ酸製剤」です
例:ニュートライズのエナジーブースター(1日2包)
■ サプリで補いたい栄養素
月経過多が強い場合、サプリだけではどうしても鉄が追いつかないことも多く、子宮筋腫そのものの治療も並行して検討することがとても大事です。
主治医へもう一度相談されるとよいと思います。
■ 血糖調節と自律神経の乱れについて
長期間にわたる血糖調節異常は副腎にも負担をかけます。
副腎が疲弊すると、血糖値を支えるバックアップがききにくくなり、食べ方によっては「食後高血糖 → その後の反応性低血糖」を繰り返す負のスパイラルに入りやすくなります。
この血糖の大きな変動が、自律神経バランスの乱れにもつながります。
■ 食事での対策
こうした状態のときは、次のような食事スタイルが有効です。
- 小麦粉、乳製品、砂糖をできるだけ除去する
- 食べる順番は「タンパク質から」
- タンパク質は少量を頻回に入れ、食事の間隔をあけすぎない(1日4〜5回の少量の食事)
- 食事の最後には少量のご飯などの炭水化物(お茶碗半分程度)を入れる
さらに、
- 寝る前にも少量の補食をとる
- 豆腐や卵が入ったスープや味噌汁
- 温かい豆乳にココナッツオイルを少し加えたもの
このような食事スタイルで、昼間の血糖値の安定を図りつつ、就寝前の補食で夜間低血糖を防いでいきます。
■ はちみつやヤクルト1000について
夜間低血糖対策として、就寝前に少量のはちみつを勧めるケースもありますが、これがうまくいくのはごく一部の方であり、夜間低血糖がある全ての方に合うわけではありません。
特にお腹の調子が悪い方は、血糖値の上昇が早く、それに対する反応で低血糖を起こしやすいため、私は臨床では寝る前のはちみつやヤクルト1000は勧めていません。
■ ビタミンB・エナジーブースターの役割
エネルギーの安定化のためにはビタミンB群は必須です。
食事ごとに1粒ずつ取り入れると良いですし、寝る前にエナジーブースターとビタミンBを一緒に摂るのは特に効果的です。
■ 豆乳やきな粉について
豆乳やきな粉は大豆なので、大豆にアレルギーがなければ、ナッツアレルギーがあっても基本的には大丈夫だと思います。
