-FAQ-
31歳の障害のある息子ですが、AST・ALTの数値が異常に高く、脂肪肝と診断されています。
運動ができれば良いのですが、なかなか難しい状況です。
現在の食生活はきちんと管理されていますが、過去には運動不足に加え、揚げ物などの高カロリーな食事が多かったことが原因かと思います。
このような場合、身体に炎症があることでサプリの効果は薄れてしまうのでしょうか?
また、脂肪肝に良いサプリメントはあるのでしょうか?
血液検査ではフェリチンが高めで、亜鉛もある程度高めの値が出ています。
ビタミンB群くらいしか飲ませられないでしょうか?
実は、ピロール尿症という記事を見つけ、もしかして息子もこの体質なのでは、と思い調べた時に、 ピロール尿症は、ω3は充分にあるめ、ω6を取る様にと書いてあり、訳がわからなくなってました。
脂肪肝の改善について。
とてもよいご質問だと思います。
きっと、個人の程度の差はあれ、この回答を聞きたいメンバー様多くいらっしゃると思います。
ご賢察の通り、炎症下では栄養の消耗量は上がります。
サプリの効果が薄れるというより、効果を上げるための最適代謝に持ち込むには、補充の量が多く必要になる可能性があります。
脂肪肝は慢性炎症ですから、炎症下ではフェリチンは正しく貯蔵鉄を反映せずに炎症を拾い上げて高値に推移します。
そして、フェリチンだけ高くて、体内の鉄の動きを抑制してしまうことがよくあります。
亜鉛の高値は、私の臨床経験上、サプリメントの過剰摂取というよりは、酸化ストレスで細胞膜の弱さから膜が壊れて、血中に亜鉛が逸脱している可能性の方が高いと思います。
改善には
食事での血糖コントロールが重要ですので、高タンパク、低糖質は基本です。
食べ順守り、満腹の下支えを食物繊維や豆腐など使用して作り上げるとよいです。
ご飯は最後に少なめに。
夕飯の主食を抜くのもありです。
炎症を抑えるのはω3脂肪酸をしっかり取りたいところ。
家庭内のお食事では出来るだけ『液体の油』の使用を避けましょう。
揚げ物や炒め物よりは、蒸したりするお料理を推奨します。
その上で、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸をしっかり摂ると、細胞膜の脂質のバランスが、だんだんよいものに変化します。
タンパク源は是非、魚と大豆製品を増やすようにしましょう。
魚の油のサプリメントの積極的な使用もお勧めです。
ニュートライズでご用意が叶わないのが申し訳ないですが…
そしてビタミンB
はしっかり毎食後にお取りください。
毎食後に2粒ずつなど、
少し量を増やして摂取すると効果的だと思います。
酸化ストレスの軽減のためにはビタミーナも活躍します。
ビタミンDは腸内環境も守り血糖コントロールにも作用しますので、必ず摂取してください。
亜鉛はパッケージに記載している量で構いませんので、継続して摂取をお勧めいたします。
ピロール尿症は、正式な病名ではなく「症候群」のような扱いで、賛否両論あります。
診断がつかない体調不良がある場合、1つの視点として参考にする医師もいるようです。
特に統合医療や一部のオルタナティブ医療の分野で注目されている代謝異常の一種です。
ピロール尿症の概要
・原因とされる仕組み
体内でヘモグロビンが分解される過程で異常な副産物(「ピロール体」)が過剰に産生され、それが尿中に排泄される。
・ピロール体の問題点
このピロール体は、ビタミンB6や亜鉛と強く結びついて体外に排出されるため、これらの栄養素が慢性的に不足しやすくなると考えられています。
息子様は栄養解析の検査は受けたことがないのでしょうか?
栄養解析を利用すれば、ビタミンB6が最適代謝に入っているかどうか、目安はつくはずです。
【ピロール尿症と脂肪酸バランスについて】
一部のオルタナティブ医療では、
ピロール尿症の人はオメガ3(ω3)脂肪酸が過剰で、オメガ6(ω6)脂肪酸が不足していることが多いため、ω6の摂取を増やすべき、という主張があります。
これは主に、以下の観点に基づいています
- ・ピロール体によってビタミンB6や亜鉛が失われる
- ・それらは脂肪酸の代謝(特にω6のガンマリノレン酸:GLA)に必要
- ・結果として、ω6系列の有益な脂肪酸(GLAなど)への変換がうまくいかず、相対的に不足
- ・一方、ω3は食品やサプリで多く摂取している人も多く、相対的に多くなりやすい
【実際の推奨と注意点】
- 1. 「ω3を避ける」というのは極端すぎる可能性あり
・オメガ3(特にEPAやDHA)は抗炎症作用があり、脳や神経、メンタル面に非常に重要な役割を果たします。
・もしも「多すぎる」のであれば、摂取量を見直す程度にとどめるのが現実的。
・ω3も不足すると、逆にうつや脳機能低下、皮膚トラブルが起きます。 - 2. ω6は「質」と「種類」が大切
・一般的な現代食ではリノール酸(サラダ油、加工食品に多い)は過剰になりがち。
・ただしピロール尿症では、GLA(ガンマリノレン酸)の不足が問題視されます。
・GLAが豊富なのは、月見草油(イブニングプリムローズオイル)、ボラージオイル、ブラックカラントオイルなど。
まとめますと
「ω3を避ける」は行き過ぎ。
必要量は維持すべき。
重要なのはGLA(良質なω6)の補給。
脂肪酸のバランスは血液検査(脂肪酸プロファイルなど)で確認するとより正確です。
栄養の代謝は個人差もとても大きく、やはりきちんと検査をして、医師の指示を仰いでいただくのがよいですね。
油の取り方はとても大事です。
少しでも良い方向に向かいますように。