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よくあるご質問

-FAQ-

メンタルが苦しいのですが、どうしたらよいでしょうか。
最近は卵ご飯ともずくしか食べていません。

お話伺うに、栄養だけの問題でもなさそうな気がいたしました。

是非、お早めに心療内科などの専門医を受診していただき、メンタルの低下に関してご相談下さいませ。

お気持ち、ゆったりしていませんと、食べたものも上手く吸収できない可能性もありますから。

(以下チャット参加者より)
以前、サプリで亜鉛を飲んでいると読んだ記憶がありますが、ヘム鉄は飲まれていますか?
私は当初、低亜鉛血症と診断され、病院で亜鉛のみ処方されましたが、薬が合わず、栄養療法を行っているクリニックで診ていただいたところ、ヘム鉄も処方され、だるさなどが改善しました。

おそらく、亜鉛が多いと鉄の吸収が阻害されるのではと思っています。フェリチン値を確認して、低ければヘム鉄の補給も良いかもしれません。

また、同じクリニックでヘム鉄と一緒にビタミンBも処方されました。ミネラルとビタミンBの関係についても、島野先生からアドバイスをいただけるとありがたいです。


(以下島野先生回答)
ビタミンB群やミネラルとの関係、なぜ重要なのか、そしてTCA回路の事など、改めましてのご質問や問題提起ありがとうございます。

TCA回路の図、栄養素との関係がとてもわかりやすかったですね。

私からも、できるだけわかりやすく、お伝えしようと思いました。

先に示されたTCA回路の図もご参照くださいね。

クエン酸回路(TCAサイクル、クエン酸サイクル)は、細胞の中の「ミトコンドリア」という小さな発電所のような場所で行われています。

📍クエン酸回路とは?


私たちは食べ物(糖質・脂質・タンパク質)をエネルギーに変えて生きています。
このエネルギーを作るための大事な仕組みが「クエン酸回路」です。

クエン酸回路では、食べ物から得た栄養が分解され、最終的に「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーの元になります。
ATPは細胞が動くための「エネルギーの通貨」みたいなもので、これがないと体は働けません。

📍クエン酸回路の流れ


  • 1. 食べたもの(糖質・脂質・タンパク質)が分解されて「アセチルCoA」になる
    ・ごはんやパン → ブドウ糖 → ピルビン酸 → アセチルCoA
    ・肉や魚 → アミノ酸 → アセチルCoA
    ・油(脂肪)→ 脂肪酸 → アセチルCoA
  • 2. アセチルCoAがミトコンドリアの中で「クエン酸回路」に入る
    ・「クエン酸」という物質が作られ、それが変化しながらグルグル回る
  • 3. 電子が生まれ、それがエネルギーになる
    ・クエン酸回路の中で、ビタミンB群などの助けを借りて「電子」が取り出される
    ・この電子は「電子伝達系」という別の仕組みに運ばれる
  • 4. 最終的にATP(エネルギー)が作られる!
    ・電子伝達系でATPが作られ、体が動くためのエネルギーになる

📍クエン酸回路を回すために必要なもの


  • ・ビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B6)(酵素の働きを助ける)
  • ・鉄(ミトコンドリア内で電子を運ぶ)
  • ・マグネシウム(ATPを安定化させる)
  • ・クエン酸(レモンやお酢に含まれ、回路の働きをスムーズにする)

📍クエン酸回路がうまく回らないとどうなる?


  • ・エネルギー不足になり、疲れやすくなる
  • ・冷えやすくなる(体温を作るのもATPの役割)

・筋力が落ちる、代謝が悪くなる

📍まとめますと…


  • ✔ クエン酸回路はミトコンドリアの中で行われる
  • ✔ 食べ物の栄養をエネルギー(ATP)に変える大事な仕組み
  • ✔ ビタミンB群や鉄などが不足すると、エネルギー不足になり疲れやすくなる

栄養療法のクリニックにお身体の不調でご相談にお見えになる患者様は、特にこのエネルギー産生が安定していないことが多いです。

身体のエネルギーが安定していないので、食べ物もどうしても即時エネルギーとなりやすい糖質に依存する傾向になりやすいです。

なので、まずはこのミトコンドリア機能をしっかり支えるため、クエン酸サイクルを回すときの補酵素としてビタミンB群と鉄、マグネシウムなどは特に大事になります。

これらの栄養素は、不調のある方は特に要求量も高く、なかなか食事だけでは賄えないです。

そして食事内容を伺うと、お肉などをあまり食べていないことが多く、食事からも、これらの栄養素が入っていないような食生活が長く続いていたということもよく見受けられます。

ですから、栄養療法のクリニックでは、まずはミトコンドリア機能をしっかりと回し、エネルギー産生を促進するためにビタミンB群、ヘム鉄を処方することが多いです。

以下富所先生の回答

実はクエン酸回路(TCA回路)は高校生の生物で学ぶのですが、お医者さんも生化学の授業で改めて学びます。
しかしながら次に何が来るかは試験に出ますが、回路を回すのに必要な栄養素を学ぶことはありません。
初めて栄養学の講義を受けた時に回路を回すための栄養素としてビタミンB群、鉄などの栄養素が必要と知りました。
おそらくTCA回路を回すのにこれらの栄養素が必要と知っている医師は意外と少ないのではと思います。
そもそも学ぶ機会がほとんどないので。

TCA回路の目的はATPという元気の素を作るのが目的なので、この回路が正常に回らないとATPが作られず元気が出ません。
ちょっと上流に遡るとこういう絵になるのですが、我々が摂取した三大栄養素はこれらビタミンB群や主要ミネラルによってATPに変えられるというわけです。

僕はこのイラストを見てからしっかりビタミンBと鉄を飲むようになりましたが、こういったことを理解しないとなぜ飲まなければいけないのか理解できませんよね。


貧血の人は鉄が足りないのでTCA回路が回せない。回らないからATPが作られない。だから元気が出ない。
こんな感じで単純化して考えるとあまり難しい話は抜きにして必要だと感じれます(もちろんこれだけじゃなくて酸素運搬とか色々ありますけど)。

せっかく食べた食事もATPに変えられることなく捨てられてはもったいないですよね。
皆さんもぜひ栄養を摂ることだけでなく、しっかりと利用することも頭において栄養補給をするようにして下さい(^^)